近年、グローバルファッションシーンにおいて絶大な影響力を持つようになった韓国ファッション。その中心的イベントであるソウルファッションウィークが、2025年春夏コレクションを9月3日から7日まで、トンデムン(東大門)デザインプラザ(DDP)をメイン会場として開催することが決定しました。
世界のファッション業界が注目する中、今回は特にサステナブルファッションに焦点を当てた意欲的なプログラムが展開されます。本記事ではソウルファッションウィークの概要とアットソウルメンバーが現地で得た見どころなどをもとに解説していきます。
ソウルファッションウィークとは？
ソウルファッションウィーク（Seoul Fashion Week）は、ソウル市が主催するグローバルファッションビジネスイベントです。韓国のトップデザイナーから新進気鋭の若手デザイナーまで、多様な才能が集結するこの場で、彼らは最新のコレクションを世界に向けて発表します。パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークという世界的に名高い4大ファッションウィークに続く存在として、その影響力は年々増大しています。
特筆すべきは、韓国カルチャーの世界的な影響力との相乗効果です。音楽、ファッション、食文化など、あらゆる分野で韓国発のトレンドが世界を席巻している現在、ソウルファッションウィークの重要性は一層高まっています。K-POPアイドルが着用するファッションアイテムが瞬時に世界的なトレンドとなる現象が日常的に起きており、ファッション業界における韓国の影響力を如実に示しています。
ソウルファッションウィークの目的は韓国ファッションの世界進出を促進
ソウルファッションウィークの最大の目的は、韓国のファッション産業をグローバル市場へと展開させることです。韓国のトップデザイナーたちがショーを行うだけでなく、新進気鋭の若手デザイナーたちにも活躍の場を提供することで、韓国ファッション界の層の厚さを世界に示しています。
特に若手デザイナーたちには、グローバルな視点でのデザイン開発とビジネス展開の機会が与えられ、次世代の韓国ファッション界を担う存在として期待が寄せられています。
広報大使は人気5人組ガールズグループの「NewJeans」
今回、広報大使として抜擢された人気5人組ガールズグループ「NewJeans」の起用は、イベントの注目度を大きく高めることとなりました。彼女たちは単なるK-POPアイドルとしてだけでなく、ファッションアイコンとしても世界的な影響力を持っています。この起用は、韓国のファッションとK-POPカルチャーの親和性を象徴する出来事として、国内外のメディアからも大きな注目を集めています。
2025S/Sソウルファッションウィークの見どころ
今回の「2025S/Sソウルファッションウィーク」において特筆すべきは、最近のファッション市場のキーワードである「サステナブルファッション」に焦点を当てている点です。エコロジーやリサイクルをテーマにしたプレゼンテーションや展示が多数開催され、ファッション産業における環境負荷の低減という世界的な課題に対する、韓国ファッション界からの具体的な提案が示されます。また、資源循環プロジェクトなども実施され、サステナビリティを軸とした新しいファッションの在り方が提示されます。
一般の方々にもファッションショーを体験していただく機会として、市民招待チケットイベントが実施されます。8月6日から19日にかけて、ソウルファッションウィーク公式SNSアカウント(Instagram、Facebook)で申し込みを受け付け、抽選で300名に入場券が配布されます。この取り組みは、ファッションを通じた一般市民との交流を深め、韓国ファッションの裾野を広げることを目的としています。
公式情報：ウェブサイトやSNSをチェック
イベントの最新情報は、YouTube(@SFW_official)とInstagram(@seoulfashionweek_official)を通じて発信されます。ショーの様子やバックステージの雰囲気、デザイナーのインタビューなど、多彩なコンテンツを通じてイベントの臨場感を伝えています。特にSNSでは、リアルタイムでの情報更新により、世界中のファッション愛好家たちがイベントの進行状況を把握することができます。
ソウルファッションウィーク参加ブランドと注目ブランド例
今回のイベントは、ファッションショー(21ブランド)、プレゼンテーション(5ブランド)、トレードショー(92ブランド)という大規模な構成で展開されます。それぞれのブランドが独自の世界観とクリエイティビティを発揮し、韓国ファッションの多様性と可能性を世界に示します。
DOUCAN
DOUCANの今回のコレクションは、テクノロジーとファッションの融合という観点から、特別な注目を集めています。デザイナーのチェ・チュンフンと産業デザイナーのエドガー・アンド・コによる6ヶ月に及ぶ共同作業から生まれた3Dプリント作品群は、ファッションの未来を示唆する革新的な試みとなっています。人体の骨格構造やDNAからインスピレーションを得たデザインは、3Dプリンティング技術によって具現化され、コルセットやバッグ、シューズ、アクセサリーといった多様なアイテムとして展開されています。
特に注目を集めているのは、透明な白地に青い2間オリジナルプリントが施されたコルセットです。このピースは、伝統的な青華白磁の美を現代のファッションとして再解釈し、韓国の文化的アイデンティティとテクノロジーの融合を体現しています。
L’EAU ET
L’EAU ETの今回のコレクションは、「指先、手の動き、手の動き」という独創的なテーマを掲げ、デザイナーのオ・スンジンが古典名画における手の表現に着目した意欲的な試みとなっています。手が持つ美的、芸術的、社会的価値を現代のファッションとして表現するため、繊細なレースメイキング、ビーディング、多様な技法による素材開発など、幅広い技術が駆使されています。
古典名画に描かれた手は、画家の創造力と美的価値観を体現する重要な要素です。L’EAUETは、この芸術的表現をシフォン、レース、サテン、ツイード、チュールなど、様々な質感を持つ素材を用いて解釈し直しています。柔軟なドレーピングと構造的なシルエットの対比という、ブランド独自の手法を通じて、クラシカルな美の現代的解釈を提示しています。
De Marc.
De Marc.の2025SSファッションショーは、「ストリートオルタナティブ(Street alternative)」をタイトルに掲げ、従来のストリートウェアの概念を刷新する提案を行っています。ニュージャックスウィングバイブルと融合したヒップなカジュアルルックに、ガーリッシュな要素を取り入れることで、意外性のある新鮮な魅力を創出しています。
RE RHEE
RE RHEEが提示する2025S/S “This Appearance; Disappearance”は、ファッションの儚さと永続性という相反する概念を探求する意欲的なコレクションです。似た発音でありながら正反対の意味を持つ言葉を用いて、現代のファッションが持つ矛盾を表現しています。
毎シーズン現れては消えていくトレンドとスタイルを、瞬間的な花火に例えた表現手法は、ファッションの本質に迫る深い洞察を提示しています。時間の経過と一時的な痕跡を視覚的に再解釈することで、ファッションにおける存在と消滅の意味を問いかけています。
Arts De Base
Arts De Baseは、今シーズン、馴染みのある衣装を見慣れないものへと変容させるという挑戦的なアプローチを展開しています。大衆に親しまれているテーラードジャケット、フードTシャツ、トレンチコートといったベーシックアイテムを、独自のドレーピングと非対称的なディテールによって解体し、再構築します。この試みは、日常的なアイテムに新しい解釈を加えることで、既存の服飾概念を拡張し、ファッションの新たな可能性を探求しています。
CAHIERS
CAHIERSの2025S/Sコレクションは、「モダンヘリテージ(MORDERNHERITAGE)」という野心的なテーマのもと、クラシカルなバレエの優美さをストリートファッションのダイナミズムへと昇華させています。このコレクションの特筆すべき点は、クラシックなバレリーナルックのヘリテージを、現代の日常生活に溶け込むスタイルとして再解釈している点です。伝統的な美意識と現代的なストリートカルチャーの融合は、ファッションの新たな可能性を示唆しています。
PHENOMENON SEEPER
PHENOMENON SEEPERは、「FLASH LAND」というコンセプトのもと、夏の遊園地における瞬間的な感動を捉えた斬新なコレクションを展開しています。特にジェットコースターの瞬間写真からインスピレーションを得た作品群は、遊園地特有の建築構造と、そこで見られる人々の躍動的な表情や感情を鮮やかに表現しています。老若男女を問わず楽しめるこのコレクションは、ファッションを通じて人々の感動と喜びを表現することに成功しています。
MAN.G
MAN.Gは、デザイナーであり作家でもあるマンジの独特な視点から、日常的な風景や物事を新たな角度で解釈し直すブランドとして注目を集めています。「コレクション1.0」は、視覚に関する多彩な物語を展開し、狭い視野と広い視野、鋭い視線、そして自己防衛としてのとげのような警告的メッセージまでを包含する野心的な試みとなっています。
テーラードムードとストリートムードの調和を図るアイテムで構成された本コレクションには、マンジの視点で捉えられた世界観とその感情が随所に織り込まれています。それは単なる衣服の枠を超え、世界を見つめる独自の視点とその感情を率直かつ淡泊に描き出す芸術作品としての性格を帯びています。
@SEOULで日本未上陸ブランドをチェック
ソウルファッションウィークの興奮をそのままに、日本でも韓国の最新ファッションを手に入れたい方必見！今回ソウルファッションウィークに特別招待された日本で韓国ブランド通販サイトを運営する@SEOULが、これまで日本では出会えなかった新たな出会いを提供します。注目すべきは、今回のファッションウィークに出演する旬のブランドを含む、厳選された約50の日本未上陸韓国ブランドを取り扱っているという点です。
@SEOULでは、ソウルファッションウィークの会場に足を運ばずとも、最前線の韓国ファッションが手に入るサイトです。ランウェイで披露されたばかりの最新コレクションや、韓国で話題沸騰中のデザイナーズブランドなど、洗練されたラインナップがあなたを待っています。
韓国発の新進気鋭ブランドから、すでに本国で確固たる人気を誇るブランドまで、@SEOULでしか出会えない特別なファッションとの出会いが、あなたのワードローブに新しい可能性を広げてくれることでしょう。ソウルファッションウィークの熱気と興奮を、直接商品を通じて体験できる、今までにない新しいファッションの出会いの場として注目を集めています。
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会場でで韓国芸能人に遭遇！？
今回のイベントには、様々な分野で活躍する著名人たちが参加し、アットソウルメンバーのインタビューにも応じています。元アイドルから女優としてのキャリアを確立したイナウン、独自の個性で人気を集める女芸人のパクナラ、lolメンバーとして活躍する佐藤友祐、そしてYouTuberとして影響力を持つセシルなど、多彩な顔ぶれが会場に華を添えています。彼らの参加により、ファッションとエンターテインメントの融合という韓国カルチャーならではの特徴が一層際立っています。
まとめ
2025年のソウルファッションウィークは、サステナブルファッションへの注力、NewJeansの広報大使起用、そして革新的なデザインの数々により、韓国ファッションの世界進出を加速させる重要な機会となっています。
各参加ブランドが示した独創的なビジョンと、環境への配慮や技術革新との融合は、韓国ファッションの更なる発展可能性を強く印象付けるものとなりました。一般市民への門戸開放や著名人の参加など、多角的なアプローチによって、ファッションの持つ可能性を広く社会に提示する場としての役割も果たしています。